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意気揚々と越南軍へ戻

 意気揚々と越南軍へ戻って行ったグエンは、粛々と行軍準備を始めてしまう。民族性だろうか、耐えるのは得意でちょっとした休憩より働くほうが性に合っている。

 

「兄弟、そのボロボロの軍で魏軍を追うつもりなのか?」

 

 親衛隊は負傷者だらけ、護衛隊も限界を越えていた。羌族兵は疲れ果ててしまい、蜀の正規兵は休息を必要としている。これ以上酷使するつもりならば脱走兵が相次ぐ可能性が高い。

 

「自分が苦し https://dollarsandsense.sg/call-put-option-trading-4-buying-selling-strategies-that-long-term-investors-can-use/ い時は相手もまた苦しい、そういうものだろ?」

 

 実はそんなことはないと言われそうだが、ゆっくりとしている暇は俺には無いんだ。首都のこともあるし、呂軍師らのこともあるしで。

 

「好きにすればいいさ。俺は兄弟の全てを支持する、それだけだ」

 

 南蛮大王と蜀の大将軍の関係性を見せつけられる、こうも強固だと離反を誘うのも現実的ではなさそうだと思わせる蜜月ぶり。逆にいえることは、島介という存在を消し去れば蜀は空中分解するということ。

 

「なああんた、素利についてはどうするつもりなんだ」

 

 骨進が軻比能を見てからこちらを見る。それな、原因は俺も一枚かんでいるんだ何とも言えん。だが統率をしくじった責任は当然単于である軻比能の失態だ。

 

「俺は誰が向かって来ようとどうもしないよ。こいつらにもいつも言ってる、勝てると思ったらいつでも寝首をかきにこいってね」

 

 陸司馬や配下の将軍らを流し見てそんなことをうそぶく。一瞬の沈黙の後に孟獲、軻比能、泄帰泥などその場の異民族らが大笑いする。

 

「これだ、だから俺は兄弟が好きなんだ!」

 

「まあ、お人好しもここまで来ると呆れて強くいえんか」

 

 儀礼に凝り固まった清流派の士には受けが悪いだろうが、俺はこちらのほうがあってるんだよ。談笑ばかりもしてられん、長平に入城していては時機を逸するな。

 

「陸司馬、行軍不能者は長平に置いていく。残りを新汲へ向けて行軍させるぞ」「御意。出発は明日で?」

 

 陽はまだ高い、暗に休ませろと言ってるわけだが、今回ばかりはそれを聞くわけには行かん。

 

「一時間後だ」

 

 それ以上のやりとりはしない、速やかに糧食や武装の補給を行い、越南軍を五キロ先へ向かわせた。

 

 一時間のうちにやるべきことは山とあった。部内のことは全て陸司馬に丸投げし、士将軍を含めた異民族らとの情報のすり合わせでは馬謖を傍に置く。話をしているうちに長平から馬車がこちらにやってきたと聞かされる。

 

「龍、良くぞ無事で生きていた!」

 

 幕の中が別人種ばかりで少しばかり面食らったようだったが、怖じずに一人で踏み込んできた。孟獲がギロリと睨んでも、胸を張り堂々と真っすぐ視線を向ける。

 

「兄弟、こいつは何だ」

 

 文官が嫌いなのはわかるが、初見で喧嘩腰になるのは良くないと思うぞ。ふむ、と小さく頷いて立ち上がる。

 

「紹介する、俺の友人で劉協だ。暫く漢の皇帝をしていたことがあるらしいが、今は無職だ」

 

「皇帝が職業だったとはついぞ知らんかったな。朕は劉協、今は龍の友人としてここに在る」

 

 ほう、あれから随分とふっきれたものだな、表情が明るい。それに貫禄がついている、環境次第でこうも大きくなるとはな。異民族の連中も意外な表情を隠しきれんか。

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