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が、いまだきゃぴき

が、いまだきゃぴきゃぴしている双子に集まる。

 

「「でこちんの助」のところに、陣中見舞いにいってまいりました」

「ですから、「でこぴん野郎」と申しております、兄上」

「だまれっ!そろそろ誠をみよ、痴れ者が」

「ひどい・・・」

 

 まだどうでもいい論争がつづい 早期肺癌 てるんだ。しかも、俊冬は兄貴であるがゆえに、それでごり押ししようとしている。

 

 俊春が涙ぐんでいる。

 

 ってか、そんな問題か?「兎に角、宿を訪れ、沈思黙考されている「でこちんの助」に、挨拶したのです。それはもう、およろこびになられまして、奇声を発しておいででした。その間、兵隊たちは遠征で疲れきっていたようですので、ぐっすり休んでいただいていました。ゆえに、だれにも邪魔されず、会うことができたのです」

 

 俊冬の説明を、全員が声もなくきいている。子どもらや相棒まで・・・。

 

 なんといえば、いいのだろうか・・・。

「でこちんの助」でも「でこぴん野郎」でも、どっちでもいいが、兎に角、大村は小便をもらすぐらい、いいや、脱糞してしまうくらい、驚いたにちがいない。

 

 土佐の板垣といい、大村といい、気の毒でならない。

 双子の斜め上をいきまくってる行動による犠牲者は、これからますます増えるにちがいない。

 

「これからのことを語り合うには、ときが足りなかったのが残念でございます。兎も角、先日の飴細工のお礼にと、銃とをかえり際にいただきました。それはもう、飴細工を気にいっていただきましたようで」

 

 俊冬が説明している間、俊春がいつの間にか小枝をもってきて、地面にさらさらとなにかを描きはじめた。

には、地面の絵は完成していた。

 

 大村益次郎の肖像画である。しかも、ウイキペディアのまんまである。あまりの完成度の高さに、みな、これが誠の

 説明がおわるなのかと絶句している。

 

 双子は、異世界転生で画家もやっていたにちがいない。

 

「局長、副長」

 

 俊春は、小枝をぴゅんぴゅん振って兄をどかせると、自分が描いた肖像画をそれで指し示す。

 

「これが「でこぴん野郎」でございます。「でこちんの助」とどちらがふさわしいか、どうか公正な判断をお願いいたします」

「おまえたち・・・」

「おまえら・・・」

 

 局長も副長も、驚くやら呆れるやら、兎に角、苦笑するしかない。

 

 かくして、「でこちんの助」か「でこぴん野郎」か、決をとることになった。

 

「あの、念のためですが、その人の名は大村益次郎といいまして、長州出身の元医師で、かなり優秀な参謀です」

 

 みなが迷っているなか、一応、告げておく。このままでは、かれがあまりにも気の毒すぎる。

 

 それにしても、やはり史実とは異なっている。史実では、かれはまだ大坂にいるはずである。明治天皇が大坂に下坂され、それに随行するのである。そして、大坂城で調練をおこない、江戸へ下向を命じられるのだ。それがたしか、四月の二十日ころだったかと記憶している。いまはまだ三月。大局からみれば、さしておおきくかわっているわけではない。もしかすると、長州からはやく上京していたのと同様、江戸へもはやくきたのかも。

 多少の前後はあるかもしれない。

 

 結局、結果は同数であった。

 

「うーむ、なにゆえ同数なのだ?これでは、決着がつかぬ」

「いえ、たま。そういう問題ではないでしょう?」

 

 思いっきり突っ込んでしまう。

 

 ちなみに、局長は「でこちんの助」、副長は「でこぴん野郎」とわかれ、子どもらと相棒をあわせても、半々にわかれてしまった。

 

 たしかに、わずかながらのもやもや感はあるものの、大村のあだ名にそこまで頑張る必要はないと思うのだ。っていうらしいですよ、斎藤先生」

 

 そして、俊春画伯の似顔絵をみつつ、とんでもなく無礼なことをつぶやく斎藤に、さらにとんでもなく失礼なことをのたまう現代っ子にしてバイリンガルの野村。

 

 視界の隅に、双子が苦笑しているのがうつったような気がする。

 

 大村に会ってきたということじたい驚愕に値するが、どーでもいい論争だけで、この話題がおわりつつあるということにも驚きだ。

 

 副長の指示のもと、銃は武器庫がわりにしている蔵へ、食材は厨へと運ばれる。みながてきぱきと作業をするのをみながら、局長が双子に尋ねる。

 

「それで、当人には尋ねてみたのか?」

「無論ですとも」

 

 俊冬の

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