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あちこちにちょっかいを

 あちこちにちょっかいをかけては消え去るので、月光に雲がかかったところでは同士討ちが発生した。追撃騎兵が出てくるまでは、屯騎兵団は攪乱を続ける。

 

「地理不案内だ、急ぎ過ぎて余計な被害を出すなよ」

 

 先行騎兵団が通った道だけを行っているので、行き止まりなどがあるわけではない。集団からはぐれてしまうともう合流は出来ない、息を切らせて歩兵が必死についてきた。 そこそこ進むと小休止をかける。水分補給の為にひしゃくで一口ずつ水を飲ませると、身体が冷めないうちにまた動きはじめる。歩きで時速四キロ、速足で六キロ程度だ、https://topick.hket.com/article/3001018/%E7%B6%93%E8%A1%80%E9%81%8E%E5%A4%9A%E8%87%B4%E9%A0%AD%E6%9A%88%E5%8F%8A%E8%B2%A7%E8%A1%80%E3%80%80%E8%97%A5%E6%80%A7%E5%AD%90%E5%AE%AE%E7%92%B0%E5%8A%A9%E6%B8%9B%E7%B6%93%E9%87%8F%E3%80%80%E5%A9%A6%E7%94%A2%E7%A7%91%E5%B0%88%E7%A7%91%E5%BC%B5%E5%87%B1%E6%99%B4%E9%86%AB%E7%94%9F 四時間か五時間、夜明けにはかなり距離を稼げているぞ。

 

 重量物の輸送、つまりは武器糧食の運搬に馬が結構あるのは福音だ。こいつらへの餌はそこらに生えている草があれば良いのだが、水だけは別にいる。小川がいくらでもあるからそれは困りはしないがな。

 

 二時間遅れでも騎兵なら簡単に追いつける、だが騎兵の数ならばこちらも充分。歩兵がどれだけ自由な時間をえられるか、そこが今回の最も重要な部分だ。行き先をくらますことはできない、どこに居ても魏の住民の目がある。

 

「争う音が近づいてきているな」

 

 後方で戦闘の音がある、誰が戦っているかは考えるまでもない。休んでいる時間はなさそうだ。歩兵が汗だくでへばってしまっているが、切り結んでしまえば移動が出来なくなる、少しでも距離を稼ぐために速度を速めた。

 

 潁具の城兵が阻止線を築いていなくて助かった、少数でも足止めに専念すれば時間を食うからな。月が照らし出す微かな光、右手の方に竹林が茂った小高い丘があった。

 

「あれは」

 

「小需丘です」 L字に走る小川、低いとはいえ丘、北と東の二面ならば築城の仕方で三倍を支えられるか。ここで足を止めるべきか否か、あまり許都から離れるのも良くないからな。野戦で十万を相手には出来ない、どうする。

 

 目的を定めるんだ、本営は時間稼ぎの為に戦っている、あのままでは寓州城は一日持たなかっただろう。ここに陣を構えれば、魏軍が到着するのは明日夜、攻撃は明後日で丸々一日稼げる。

 

「全軍あの丘に陣を構えるぞ。竹を伐採して守りを固めろ」

 

「ご領主様、それでは三日と持ちません」

 

「それで構わん。ここ一日か一日半で軍が到着すると見ている」

 

 強い口調で断言した、それを聞いていた参軍らが苦い顔をする。

 

「そのような報告は上がっていませんが、何か情報が御座いましたでしょうか?」

 

 郤正が不安丸出しでそう言葉にした、言わんとすることも気持ちもわかるぞ。

 

「これは俺の勘だよ」

 

 余裕の笑みを浮かべてそう応えた。開いた口が塞がらない郤正を横目に、費参軍が「苦しい言い訳を並べられるより結構ですな!」笑って受け入れる。「各部隊は八方向に別れて築城作業を行え!」

 

 陸司馬が命令を下した、親衛隊は中央に場所を占めると『帥』旗を掲げる。さて、そうはいうものの他力本願この上ないな、だが俺は自分を信じて仲間を信じる。苦しい戦いなのは元より解っている、綱渡りの二度三度なくて魏に勝てるはずがない!

 

 仮眠のお陰で行動力がやや下がりづらい、朝日が昇るまでに大雑把な外見の砦が出来上がる。竹と土の壁が出来て、水濠が一部出来ただけ、中心部は戦いながら手掛けようという突貫工事。屯騎兵団が多くの敵を引き連れて北部から回り込んできた。

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